上腕骨近位端骨折の治療後でもお困りの方

こんにちは　
札幌円山パーソナルジム＆整体　Physio Gym Growの岩部です。

冬将軍が来てめっきり寒くなってきましたね。
札幌は路面が凍り転倒での救急搬送も増えています。
冬道での転倒は骨折につながる危険なことです。
この記事では、腕の骨折（上腕骨近位端骨折）のリハビリについて解説します。

上腕骨近位端骨折について

上腕骨近位端骨折とは

上腕骨近位端骨折は、上腕骨の肩関節に近い部分に生じる骨折です。
この骨折は高齢者に多く見られ、全骨折の約5%を占める比較的一般的な骨折です。

発生要因

上腕骨近位端骨折の主な原因は以下の通りです

高齢者の転倒（特に80歳代）
手を伸ばした状態で地面に着いた場合
肩の外側から直接転倒した場合
交通事故やスポーツなどの高エネルギー外傷
骨粗鬆症による骨の脆弱化（スカスカで脆い状態）

若年層では主にスポーツや交通事故による強い外力で発生し、小児の場合は骨端線（成長線）を含む損傷が起こることもあります

症状

上腕骨近位端骨折の主な症状には以下があります

急激な痛み
上肢（腕）の挙上困難
上腕部の変形や腫れ
数日後に現れる皮下出血1

稀に、腋窩神経損傷（三角筋中央の感覚低下）や腋窩動脈損傷を伴うこともあります。
腕があがりにくいと思ったら、実は神経損傷していたってこともあるため、
手術後は必ず確認するPOINTです。

治療

骨折の分類によって決まります。

保存的治療

三角巾、バストバンドで固定
安静期間：医師の指示通り
リハビリテーション：医師の指示でどのくらい動かすのか決まり運動療法を行う

手術療法

髄内定
プレート固定
人工骨頭置換術

手術後は医師の指示でリハビリテーションが開始される。

リハビリテーション

保存療法選択時

医師が指示した安静期間を経て、運動が開始されます。ただし、運動は段階的に行います。
これは骨が段階的に癒合（くっつく）するためです。

振り子運動
他動関節運動（患者は脱力し、治療者に関節を動かしてもらう）
自動関節運動（患者自らの力で関節運動を行う）

手術療法選択時

術後も同じく医師より運動の指示が出ます。その指示に準じてリハビリテーションを行います。
骨の折れ方、骨片の数や折れた部位に応じて運動の制限が変化します。

振り子運動
他動関節運動（患者は脱力し、治療者に関節を動かしてもらう）
自動関節運動（患者自らの力で関節運動を行う）

術後による侵襲があるため、腫れや創部の具合を評価しながら運動する必要があります。
また、痛みのコントロールが重要であり、痛みがあるからといって運動しないわけにもいきません。
その理由は”癒着”といい、組織同士が異常にくっついてしまい関節を硬くしてしまう（拘縮）からです。
拘縮を引き起こすと、そのままでは以前の状態に戻すことが難しくなるため注意が必要です。